碓氷峠
この数ヶ月間は、未曾有の生きづらさを解決する方法が見つからず、右往左往して実の無い日ばかりを過ごしていた。
みんなは日々にどう落とし前をつけて生活しているんだろうとか、みんな毎日頑張っていて凄いなとか、良くわかならい比較をして落ち込んでみたり、、今までの自分はどこに行ってしまったのだろうとか考え過ぎて辛かった。
一番嫌だったのは、好きだったものも好きなのか良くわからなくなってしまって、何をしても満足出来ることが無かった。
あれだけ好きだった山にも行く気になれず、休みの日は家に引きこもり、ベッドの上でYoutubeを浴びるだけで何もせず終わったこともあった。
どうしようもなくて休みも店で仕事をしてみたり、、食事に出かけても食べたいものが見つからず戻り、結局夜食にヘビーな物を過食して気持ち悪くなったり、、映画館に行っても集中出来なくて途中で寝てしまうというような有様だった。
ある日サブスクよって無限にある選択肢に翻弄されてしまっている状態に嫌気がさしたので、サービスを色々制限してみた。そしたら昔のCDやDVDを倉庫から引っ張り出す羽目になったけど、それによって上手く好転しだした。
好きだった映画をBlu-rayで特典映像まで何度も観たり、解説を読んで研究したり、あまり聴いて無かったCDを聴いて好きになって、持って無かったCDやレコードを買い漁ったり、積んであった本から気になった物を抜いて読んで感動したり、、。最近忘れていた、好奇心が湧き上がってくるような感覚が嬉しかった。
先日Youtubeで辿り着いて観た『信越本線「横川〜軽井沢」物語』がとても良く、廃線された場所がどうなっているのか気になったので、久々のトレーニングがてら行ってみることにした。
結果めちゃくちゃ良かった。
めがね橋下の駐車場に車をデポし横川駅に戻る。そこから旧線の「アプトの道」を進んで最終的にめがね橋を渡るという、たった2時間5kmの旅だったけれど、廃線上を歩けるだけでも感動するのに、トンネルを潜ったり、歴史的な建物に感動したり、猿やカモシカに遭遇したり、、蘇った好奇心によってここに導かれた奇跡に感謝した。
少し時間があったので旧熊ノ平駅にも行って来た。他にも碓氷峠の関所跡をおじいさんの解説付きで眺めたり、行きたかった関所食堂のラーメンも美味しかった。たまたま動いているEF63も見れたし、横川駅でEF64が連なるELも見れて、なんかマルッと取り戻せたような気がした一日だった。
通行止めになっている18号が開通したら、今度は横川駅から軽井沢駅まで歩いてみたいと思う。