September Records

セプテンバーレコードの店主です

OMENS OF LOVE

今朝、買い取ったレコードをきれいにし、袋に詰めて説明カードを書くということをしている最中、見覚えのある曲名に胸が熱くなった。

 


1992年10月に放送された、ボクたちのドラマシリーズ「放課後」のテーマ曲、The Square / OMENS OF LOVE」を発見したからだ。

 


この曲は中学の時ウォークマンで繰り返し聴いたが、ジャケットに見覚えがなかった。当時聴いていた音源は、よく通った図書館でCDを借りてカセットテープにダビングしたものだった。そして色々思い出してきた。

 


あまり良い体験が出来なかった中学時代。クラスでいじめられていた子をかばったのが原因で、極めて陰湿ないじめを受けるようになり、その環境から早く抜け出して自由になりたかった。

 


特に辛かった2年生のとき、文字通りにラジカセのスピーカーが激しく震え、晴天の霹靂だった音楽との出会いがあり、その日から、県内の進学校→東京の大学に進学・上京しバンドをやることが目標になり、勉強を頑張った。

 


あの時は本当に辛かったな。誰が悪のリーダーか分からないくらい、クラスのほぼ全ての男子から代わる代わる色々やられたし、集団心理は恐ろしく、助けたつもりのあいつからも痛みを受けた。たまにその様子に気づいたクラスの女子たちは僕をかばってくれたが、それがさらにエスカレートする要因になってしまった。

 

あの時の自分には未熟な男の集団をどうすることもできず、担任の先生や親にはバレないように振る舞うのが精一杯。自分の味方は、好きな音楽と深夜ラジオと小さなシンセサイザー、そしてたまに見ていたTVドラマだった。

 


15歳・中学3年の秋冬に放送されたこのドラマ「放課後」では、心と体が入れ替わってしまった男女の高校生たちが、法則通りにドタバタと色んな事があるのだが、紆余曲折あって良き仲間と組んだバンドがクライマックスで「OMENS OF LOVE」を演奏するシーンがあって、、、まるで自分の近い未来に起こる華やかな高校生活を予知しているかのようで、何度観ても美しかった。このシーンはまさに、苦しくて長かった高校受験最後の救いだったと思う。

 

希望校に入ったあとは、ドラマのように良い仲間と出会い、好きなだけバンドで音楽ができて楽しかったし、その後上京してバンドも出来た。

 

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今日の夕方、久しぶりに同業の友人が店に来てくれた。嬉しさと暫く引きこもっていた反動で、べらべらと調子にのって仕事の愚痴を話したのだが、友人が帰った直後から、もっと楽しい話をすべきだったなという後悔と申し訳なさでじんじんと胸が痛くなった。だんだんと増していく痛みと、懐かしい曲の熱い思い出が重なり合い、今まで味わった事がないような熱苦しい気持ちで頭がボーっとしてしまった。

 


閉店して夕食を食べたあと、急に病院に行かなくてはならない出来事があってドタバタした。一段落した後の帰り道、久々に母を乗せた車内で話をした。話題はさっきまでの病院での出来事が中心だったけど、誰にでもそれぞれの価値観があって、それを尊重すべきだと言うことで話を終えた。

 


自分の人格形成に最も影響があったのは、やはり中学時代の出来事だろうし、平成時代に紆余曲折あって今がこれであれだとしても、全く後悔どころか良かったとしか思ってないのだが、それは必要の無いものを20代で上手く切り捨てる事が出来たからであり、時々出没していたあいつ達のお陰ですとは行かないところが引きずっているのかもだけれど、、まあもうそれはそれでいいし考えるの無駄。

 


今の自分があるのは、出会うべき時に出会えた素敵な音楽とレコード、本や映画、人や人間、その他たくさんの好きなモノたちのお陰であり、、これからも好きなだけレコード買うし、自分らしく好きなものに囲まれて健康でいたいから、改めて好きなことだけやっていこうと誓った1日だった。とりあえず明日早起きしてパン買いに行く。

 

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