古本屋の棚
店は金曜が休みだから、連勤が終わる木曜20時になると、予定が無くてもとりあえず街に出ることにしている。店や部屋は好きなもので溢れていて、頭の切り替えができないし、何もしていないという事が辛くなってしまい、結局仕事をしてしまうからだ。
無理やり1週間を終わらす為には、ヘビーなたぐいを食べて罪悪感という快感に浸ったり、離れた場所や知らないところに行って、いつもと違う話をしたり、本を読んだりするのが手っ取り早い。
お酒は飲み始めたばかりだから、酒場でのマナーを探りながら、黙って飲むのも楽しいし、これまで関わる事がなかった方々の、未知なる話を聞くと、翌日からの世界が違って見える。
街中にこんなにもたくさん花屋ってあるものなのか、と驚いたことがある。花が好きな人と楽しく話をして以来、これまで通り過ぎてきた路地から、花屋がぽんぽんと浮き出てくるようになった。
一つのことをやり続けられる人に憧れる。でも追求していることの安心感や、最後までやらなきゃという義務感が顔を出したら、もっと他に優先すべきことがあるのかも知れないな、と思ってしまう。俯瞰でみたり、休むことも必要。
いつもの生活が、欠けてるピースを埋めていくような作業になってしまったら、まず他方にも目を向けてみて、見るものの解像度をあげていったらいい。
いろんな3日坊主でも続ければ、知らずしらず環境が整って、なんでも最初からより深く掘り下げられるし、やり続けるべきかどうか、より早く判断ができる。
老いるのは簡単だから、人によって時間はとても短い。
いまは、憧れだった人に会いに行ってコーヒーを飲んだ帰りに見つけた古本屋にならぶ色あせた本の背表紙でできた壁をみて感じたことをまとめる時間であって、、まだベッドからでる時間じゃないといういいわけをしたいわけじゃあない。