September Records

セプテンバーレコードの店主です

むだな自意識

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早く起きちゃって、近所のパン屋でモーニングを食べながら読み返している本の一節の要約。 

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18歳の頃、シャンソン歌手が歌う店に間違えて入ってしまい、客は自分一人。ヒラヒラドレスのお姉さんがマイクを持って歌いながら近づき、「オー、シャンゼリゼ〜」と歌ったあと、こちらにマイクを向けてきたが、顔を真っ赤にして無言で店をとびだした。

そして47歳になって「そういう無駄な自意識とはようやく無縁になれた」「いまなら恥をかなぐり捨てて大きな声でわざと楽しそうに演技して歌っていると思う」。

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挨拶ができない、「ありがとう」とか「いただきます」が言えない、などは、人との付き合いを決定的に左右する問題だと思うけど、さっきのシャンソン歌手のくだり、みたいなことは、ひとによってはあってもいい「無駄な自意識」だなと思った。「無駄な自意識」を自覚していればいいと思う。

頭から否定して、世間的に言えば「大人になる」ことの方がつまらないような気がするし、強要したり流される方が良いという世は、辛い。

ぼくはいつになっても、人の目を見て話すのが苦手だし、話を伝えようとすればするほど、話したいことが湧き出てきて話が脱線しちゃうし、常にひととの接しかたについて考え過ぎだ、と思う。

でも今は無駄な自意識を自覚している人を、受け入れてくれる人や場所が沢山あるのは知っていて、その中でしか生きられないことを自覚しているから、とても楽。

クラブイベントでみんなが楽しそうに踊っているなか、「無駄な自意識」が邪魔して輪に入れず、でっかいスピーカーに向かって一人で踊るしかないようなひとや、かつてそうだったひとが好き。